海外と国内の金価格の違い
2016.02.02
先日地上波でダイハード3を放送していました。ニューヨークのFRBの地下から金塊を盗む話しで、犯人が壊した金庫の鉄格子には金塊を預けている各国の国名の札がちゃんと掲げてありました。第二次世界大戦終了後欧州の西側諸国や日本の金塊はアメリカに預けられました。数年前から欧州各国がその金塊を自国に引き上げる動きがあると日経の記事にもなっていました。しかしアメリカは返還を渋っていてドイツは預けた1,500トンのうち300トンしか返して貰えない事になり、しかもまだ5トンしか返してもらえていないそうです。日本も800トンほど預けているらしいですが返還要求すらしていません。中国は金の買い増しをしていて昨年7月に1,658トン保有していると発表しました。ここ数年金価格が大暴騰していたのはそういった背景が理由かと推測します。

ところが2013年辺りを境に海外の市場では金価格の下落が続いています。ピークで1オンス$1,800を超えたのが今は$1,100前後まで落ち長期的に下がる傾向に見えます。ところが日本国内の取引価格は2011年頃に1グラム¥4,000を超えてから今までずっと横ばいが続いています。円安が下落分を相殺していると説明されていますが、$1=¥75の超円高になった2011年頃は値上がり分が相殺されていないので納得行きません。なぜ日本だけこんな高値が続いているのか謎です。もしかしたら日本だけアメリカに預けた金塊の返還要求が出来ていない事と何か関係があるのでは?などと勝手に勘繰っています。

金の保有量は通貨の信用にも繋がります。欧州諸国の返還要求はユーロの信用を強化するため、中国の買い増しは人民元の信用を強化するため。それは着々と進んでいます。海外相場は下落しているので既に金の調達ブームは終わっているのかも知れません。それはドルの基軸性が弱くなる事に繋がります。既にロシアと中国は互いにルーブルや人民元による貿易決済を可能にしてドルの依存を減らしています。もしかすると近いうちに戦後長らく続いて来たドルを基軸通貨とする体制が、ベルリンの壁崩壊のように劇的に変化するのを見る事になるかも知れないと密かに思っています。



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