パンデミックで損する投資家
2020.04.03
 2017年に世界銀行はPEF:(Pandemic Emergency Financing Facility)パンデミック緊急ファシリティーの資金を支援する為の債券を発行し、額面総額3億2000万ドルの債券と1億500万ドルの保険金をカバーするデリバティブの取引が実行された。債券には保険枠と現金枠の2種類があり、償還期限までにパンデミックが発生しなければ投資家はLIBOR+6.5%やLIBOR+11.1%の高配当が得られるが、もしパンデミックが起きたら元本が取り崩され対象国への融資に充てられる。その償還期限はどちらも2020年7月17日で、対象となるウィルスにはコロナウィルスが含まれており、パンデミックはWHOが公表するデータに基づいて判断される。

 簡単に言えば投資家がお金を出し合って、今年の7月17日までにパンデミックが起きなければ大儲け、起きたらMAX全額没収という博打に数百億円を張っていたという事だ。そしてあともう少しというところでコロナウィルスのパンデミックが起きてしまった。今般の武漢ウィルス禍でWHOがなかなかパンデミックを宣言しなかった裏には、賭けに負ければ巨額のお金を失う投資家達からの圧力が有ったであろう事は想像に難くない。しかし、投資家の負けは確定した。発展途上国で武漢肺炎に苦しむ人々の為に自分のお金が使われて行くのを彼らはどんな気持ちで見守るのだろう・・・

 PEFは2016年に仙台で開催されたG7財務大臣中央銀行総裁会議で設立が発表され、日本は保険枠に5000万ドル拠出、ドイツは現金枠に5000万ユーロ拠出して始められた。また東京海上はパンデミックの際は保険金を支払うデリバティブ契約を世界銀行と結んでいる。日本は賭場の胴元の一人という事か。まさか武漢ウィルス禍の裏にこんな事情もあったなんて・・・

世界銀行のプレスリリース

東京海上の資料




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