長崎平和祈念日
2014.08.09
今日は長崎がアメリカ軍による原爆の攻撃を受けた日。ある説によれば爆撃で直接犠牲となった方の数は約7万人、その後数年の間に放射線障害など二次的な被害で犠牲となった方の数は約14万人、合計すると約20万人以上の方が一発の爆弾の犠牲となり、三日前の広島ではそれを上回る数の犠牲者が出たそうです。亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。

子供の頃から毎年原爆記念日の行事をテレビで観てきた。今年も例年と同じように厳粛な式典が行われている。この式典を観ていて如何にも日本らしいなと思う事がある。それは甚大な被害を受けたにも拘らず、加害者への憎しみや責任追及の態度が一切表れない事。かの国では不確かな情報をあたかも事実のようにして、戦争で同胞を何十万人も殺した敵国が憎い、責任を取れ!と、国家元首が他の国に行ってまで喧伝しているというのに、日本では数十万の一般市民を一瞬にして殺戮されたというのに、テレビやラジオでアメリカが憎いとか、アメリカの責任を追求する言葉を聞いた事が無い。

それは日本人が奥ゆかしいからでは無いだろう。なにしろ日本人は昭和20年までは鬼畜米英と言って一般市民も竹槍で毛唐を突き刺す訓練をしていたくらいなのだから。私の親類には戦争の犠牲になった者がいないので分からないが、もし自分の親兄弟が空襲や原爆で死んでいたら私はアメリカに対する憎しみを持っていたと思う。東京や大阪だけでなく200以上の町が空襲を受けたのだから、アメリカが憎いと思っていた人は何百万あるいは何千万といたのではないか。それなのに日本では一般のメディアで決してそういう言葉を目にする事が無い。それはアメリカが日本占領後に行ったプログラムが成功し未だに効果を発揮している事の表れであろう。

広島市は10年前からアメリカの大統領に平和記念式典への参列を要請しているが未だにかなっていないそうです。招待された方も対応に困っているに違いない。中国の南京市が南京大虐殺の記念式典をするので日本の天皇陛下に参列を要請するのと同じと例えると分かりやすい。もし将来アメリカの大統領が広島の記念式典に参列したとして、彼は自分たちが虐殺した人々の霊を前に何を祈るのか?広島市役所の方は式典でアメリカの大統領に何を期待しているのか?核廃絶を訴えるのが趣旨だそうですが、その前に広島や長崎の人々を殺した事に対する態度の表明が必要なはず。中国や韓国のように今更責任を取れとは言わないまでも、もし自分の親族が原爆で死んでいたら、それに対する謝罪もなく広島でアメリカの大統領が平和を訴えるなど許されるはずが無い。そこの所を広島市役所はどう考えているのだろうか?

いまさらアメリカが憎いとか責任を取って賠償しろなどとは思わない。しかし多くの一般市民を虐殺した事に対して謝罪を求める態度は示すべきと思う。広島や長崎の犠牲者にアメリカの大統領が謝罪する事は、アメリカにとって日本との戦争の正当化を覆す事になるのでまずあり得ないだろう。もし広島市がそう言う事を見越して平和ボケしたふりをしてアメリカ大統領を参列させることで、まるで謝罪をしたように見せてしまおうとしているとしたら、それはそれでもの凄い事だが・・・ないだろうな。
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